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ラーニング 2022.11.28 更新

【Learning Vol-04】3Dプリントを成功させるための正しい3Dスキャナの選択

【Learning Vol-04】3Dプリントを成功させるための正しい3Dスキャナの選択

■テクニカルレポーター:ナタリア・キヴォルヤ(Natalia Kivolya)

■概要:

3Dプリントでは、ソフトウェアがハードウェアと同じくらい重要な場合があります。ここでは、3Dプリントに最適な3Dスキャナーと、その始め方についてご紹介します。


 

なぜ3DスキャンをAM(アディティブ・マニュファクチャリング)に利用するのか?

80年代初頭に、わずか30年後にはほとんど何でも3Dプリントできるようになると誰かに言ったとしても、おそらく信じてはもらえなかったでしょう。しかし、2022年の今、3Dプリントはかつてないほど普及し、個人から大企業まで、さまざまなワークフローに導入されています。革新的な3Dプリント技術は、製造業、医療、建築、その他多くの産業で利用されており、ユーザーは工業部品、靴、装身具、車、そして家などの高品質な製品を作るユニークな機会を得ることができます。デジタル3DモデルとABS樹脂、PLA、ポリアミド(ナイロン)、ガラス繊維入りポリアミド、立体造形材料(エポキシ樹脂)、銀、チタン、スチール、ワックス、フォトポリマー、ポリカーボネートなどのハイグレード材料を組み合わせて、これらのオブジェクトが作られます。そして、3Dモデルの品質が高ければ高いほど、できることが増えていくのです。では、実際に優れた3Dモデルを手に入れるにはどうしたらよいのでしょうか。ここでまさに3Dスキャナが活躍します。

3Dプリントに最適な3Dスキャナーの種類は?

3Dスキャナを使えば、さまざまなCADソフトウェアを使ってゼロから物体をモデリングしていく代わりに、高品質のデジタル・レプリカを作成することができます。これにより、時間、費用、労力が大幅に節約され、3Dプリント用の3Dモデルを作成するプロセス全体が迅速、簡単、かつ楽しいものになります。リバースエンジニアリングやラピッドプロトタイピングなど、どのような用途で3Dプリントを行う場合でも、3Dスキャナを使ってデータを取得することが最善の方法であることは間違いないでしょう。

3Dスキャンのメリット

・高速なデータの取り込み:1分以内にスキャンできる対象物もあります。

・作業効率の向上:ミスを防ぎ、工数を削減します。

・操作性:ほとんどの3Dスキャナは、まったくの初心者でも使うことができます。

・再現性:リアルな質感と鮮やかな色彩を再現したほころびのない完全な3Dモデルを作成できます。

・携帯性:外出先でも高品質な3Dスキャニングが可能です。

アディティブ・マニュファクチャリングに活用した3Dスキャニングの実例

正しい3Dソリューションを選択することは、3Dプロジェクトの成否を左右します。貴重なリソースを無駄にし、不正確な3Dデータを作成し、思い描いたものを3Dプリントすることができないのでは困ります。

こちらは、Artec Space Spiderを使って、V&A美術館のためにガラスフラスコの正確な3Dプリントレプリカを作成した時の動画です。3Dスキャンを3Dプリントに活用した分かりやすい実例です。

 

3Dスキャナにはさまざまな形や大きさがあり、最もベーシックなモデルは約5万円以下から、より高度なスキャナでは10万円をはるかに超える価格が付くこともあります。低価格帯のモデルは手に入れやすいものの、信頼性とスキャンの質の両方が不足しています。一方、ハイエンドのスキャナは、コストが高く、使い勝手が悪く、設置にスペースが必要な場合もあります。

もちろん、正しい3Dデバイスを選択する際に考慮しなければならないのは、価格だけではありません。何を3Dスキャンする必要があるかによっても選択が変わってきます。例えば、1ミクロン単位で宝石や歯科インプラントなどの小さなものをキャプチャする必要がある場合、デスクトップのArtec Micro 3DスキャナやポータブルのArtec Space Spiderなどの高精度な3Dソリューションが最適でしょう。微小なものや複雑な形状を詳細に3Dスキャンするために特別に設計されたデバイスを選ぶと、高精度で3Dプリントが可能な3Dモデルを得ることができます。

家具、車、機械部品などの中型のものを、品質保証やリバースエンジニアリングなどの用途で3Dスキャンする必要がある場合は、タッチスクリーンとバッテリーを内蔵した、革新的で完全ワイヤレス対応のArtec Leoのようなスマート3Dスキャナをよく検討してみてください。スマート3Dスキャナを使用してデータを取り込むと、どこにでも簡単に持ち運ぶことができ、近くに電源がなくても何時間でも連続スキャンできるのでとても便利です。

しかし、ビル、飛行機、トラック、風車などの大きな物体をハンディ型3Dスキャナでスキャンするのは、非常に時間がかかり、疲れることさえあります。プロフェッショナルなLIDAR(Light Detection and Ranging)ソリューションでこれらをキャプチャすれば、ワークフローをより効率的にすることができます。Artec Rayのような長距離で高精度の3Dスキャナは、検査、建設、測量のために大量のデータを取得するよう特別に設計されており、大きな対象物を非常に詳細にスキャンすることができます。

もう一つ重要なことは、スキャナがどの程度カラーを取り込めるかということです。カラーで3Dプリントする必要がある場合、3Dスキャナの3Dカラーキャプチャーの品質は、スキャンするオブジェクトの正確な形や詳細を再現する能力と同じくらい重要な場合があります。高品質のカラーは編集時間を大幅に短縮し、必要なカラー調整を行うために3Dモデリングソフトウェアを追加で購入する必要もありません。Artecが提供する3Dスキャナは、対象物の質感と形状の両方を正確にキャプチャし、カラープリンターに直接送ることができる3Dモデルを作成します。

しかし、ハードウェアと同じくらいソフトウェアも重要であることを忘れてはいけません。強力な3Dデータ処理ソフトウェアには、3Dモデルをより簡単かつ迅速に作成するためのツールやアルゴリズムが多数用意されています。例えば、Artec Studio はPBRベースのグレア除去機能を備えており、3Dモデルから自動的にグレアを取り除くので、追加の3Dモデリングソフトウェアで色補正に時間をかけることなく、そのまま3Dプリントに回せます。3Dモデリングとカラー3Dプリントのための本当に便利な機能です。

 

3Dプリントのためのオブジェクトのキャプチャや、アプリケーションに適した3Dスキャナの選択についてご質問がある場合は、データ・デザイン( sales@datadesign.co.jp )までメッセージをお送りください。

また、プロフェッショナルな3Dスキャンと3Dプリントのサービスも提供しており、追加の機器を購入することなく、3Dのニーズをすべて満たすことも可能です。



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