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コラム 2020.03.16 更新

顔面麻痺の症状をArtec Evaでアートの観点から迫る

顔面麻痺の症状をArtec Evaでアートの観点から迫る

こんにちは!

ストレス社会をサバイブしてますか?

コンビニやドラッグストアを見ても、”GABA配合”、”ストレス緩和”、”安眠”というキーワードの入ったお菓子や飲み物の多いこと多いこと…。

現代人、ストレス溜めすぎでしょ!と戦慄しているデータ・デザイン広報です。

かくいう私も前職が忙しすぎてストレスで体を壊し、顔面神経麻痺になったこともありました。

顔面神経麻痺 –神経損傷による顔の動きの喪失– とは…

顔面神経麻痺は、世の中の1.5%の人々に影響を及ぼす症状です。

多くの場合、顔の片側で起こるこの喪失は、出生時から存在するか、あるいは後年に起こります。

脳卒中や腫瘍の結果、または病気や怪我の副作用などがその原因になります。症状が消えることも、永続的に続くこともあります。

顔面神経麻痺は、患者と他者との交流に影響を与えることが多く、他人からどのように受け取られるかという部分に影響を及ぼす場合があります。

顔面神経麻痺に苦しむ人々は人に凝視されることも多く、うつ病になる割合も高いのです。

とあるように…そうなんです!

飲み物をこぼしたり食べ物がうまく食べられなかったりと実害もあるのですが、鏡を見た時や人からどう見えているかがよりストレスになってしまうのですよね。。。私はマスクが手放せませんでした;

そんなネガティブでタブー視されがちな話題を、アートに昇華する試みが行われました。ArtecNEWSで公開されていましたのでこちらでもご紹介いたします。

そのとき何が起きているのか?

コンテンポラリーアーティストのヴィック・マキューアンは、顔面麻痺の人物の表情に何が起こっているのかをArtec Evaでスキャンし、顔面麻痺の背後にある芸術と感情について焦点を当てました。

スキャンを始めてみると、より大きな計画がもちあがりました。

「3Dスキャンとソフトウェアの間には大きな隔たりがあると思っていましたが、それとは正反対でした。驚くほどのテクノロジーで、本当に高品質の3次元デジタル画像が取得され、それを使ってその中にある感情のクオリティを調査できることがわかったんです」とシドニー大学の学生は言っています。

Artec Evaは、あらゆる種類のオブジェクトと表面の正確な測定値をキャプチャする構造化されたライト3Dスキャナであり、自動車部品、義肢、子供の頭部、 オバマ大統領など、あらゆる場面においても安全かつ正確なスキャンを行うことができます。

Tate Liverpool 博物館 から彼の作品を展示するという申し出があったとき、展覧会のコンセプトが大きく広がりました。

「以前に行った作品やまだ制作中の作品を単に表示する以上に、なにか関連性があると感じました。自分の顔に問題があると感じているのは、顔面麻痺を持っている人だけではないことがはっきりわかるのではないかと思ったのです」とマキューアン氏は言います。

「スキャンすることで、人々と関わるチャンスを持つことができるのです。」

シドニー顔面神経サービスの創設メンバーであり、顔面神経麻痺に特化した理学療法士であるスーザン博士の監督を受けて、マキューアンは医学、技術、芸術の世界の共通点を探り始めました。

2020年3月3日から22日まで開催される展示会の中で、Tate Liverpoolの訪問者はこのインタラクティブで多次元の展示会にも訪れることができます。

スキャンした顔をプリントして展示

Artec Evaで顔をスキャンし、 スピーディな3Dモデルを作成するソフトウェアArtec Studioで データがリアルタイムで処理されます。

その横で、3Dプリンターが動き出し、プリント面を次々と回転させながら、3Dモデルを高速で作成します。

各プリントには約6時間かかり、110種類のスキントーンを使用して、個人の正確なパントーンカラーを一致させていきます。

作品の中においても、多様性を表現していきます。

マキューアンは、以前の作品のいくつかからスタートし、展覧会の終わりまでに最大100の顔をプリントして壁に展示することを目指しています。

顔のスキャンと印刷に加えて、いくつかのインスタレーションがさらに展示に興味を抱かせます。

スキャン体験について話している患者、医療従事者の感情のウェイトを拡大するオーディオプロジェクトの一環としてスキャン・プリントされる医師、そして患者の顔面モデルから組み立てられた楽器「顔面神経ハープ」が、機能していない顔面に声を与えます。

”観る”だけではない双方向型のアート

3Dスキャンは、訪問者がギャラリーにどのような形で参加するのかを探る方法でもあります。

好きな時間に来て、プロジェクトに深くコミットしても観覧者としてちょっと覗くだけでも、好きなようにアートワークに参加することができるのです。

野心的なこのプロジェクトは、国際的な展覧会だったこともあり、さらに多くの課題を提起しました。 「(外国の都市の)スキャナにアクセスし、私のスタジオの一部をオーストラリアから持ってくることからはじめました」とマキューアンは笑います。

リバプールでの展覧会をサポートするのは、Artec 3Dの英国ゴールドパートナーである Patrick Thorn & Co.で、顔や医療のスキャンについては、初めてというわけではありません。

「耳のスキャンや子供の耳のインプラントの3Dプリント、法医学や考古学の顔の再構成など、以前にも顔面のスキャンを行ってきました」とThorn。

「オーストラリアとイギリスのこの大陸横断的なコラボレーションは言うまでもなく、医学と芸術の世界が融合するのを見ることができたのは素晴らしいですね!」

マキューアンは、2つの倫理委員会(シドニーでの作業を監督する委員会と大学内の委員会)と協力し、患者の顔のスキャンを承認してもらう必要がありました。

倫理委員会の承認を待っている間に、スキャンされた患者は2人だけでした。

シドニーに戻ってから、進行中のすべての患者、医師、および関係するすべての開業医がスキャンされることになっています。

これがすべて、将来の大規模な展示会の一部となる予定です。

Tateでのアートワークは最終的な展示会の一部となり、最終的には論文と今後数年間で行われるより多くの研究と一緒に発表されることになっています。

適切な3Dスキャナと一緒に使うことができるソフトウェアを見つけるために、マキューアンはいくつかの選択肢を検討しました。

クリエイティブに利用するためのスムーズなプロセスとオプションに加えて、Evaでのスキャンによる視覚的な効果も魅力的でした。

「あらゆる種類の3Dスキャンソフトウェアを調べて、作成をしている時に最も美しいイメージが表示されるものを探しました。Artecソフトウェアは最高ですよ。思い描いていたものを見つけられたと思います。美しいから、大きくプリントしたいと思えるんです。」

医学、芸術、技術の重なるこの地点で、人々の顔を3Dスキャンし、しばしば目に見えないものをキャプチャすることで、既に参加型・包括的であったこの展示に、さらに新しい要素が追加されました。

McEwanは言います。 「『測定できないものの中に、お互いを理解するために不可欠で、臨床的または実用的なものを超えた情報がたくさんあるんです』と」。

星の王子様みたい…

何かと見た目の美醜だけで判断され、人と違っていることは欠点とみなされがちですが、本当に大事なことは目に見え、数値で測定できるものではないと今回のインスタレーションでマキューアン氏は気づいたそうです。

星の王子様みたいですね。

コンプレックスはなかなか本人には認めづらい問題ではありますが、何とか”個性”として自分のことを好きになれたらいいなと思える記事でした。

この展示は今もリバプールで行われていますが、さすがに行けませんのでご紹介させていただきました。

いつになく真面目!

ではまた!



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