株式会社データ・デザイン Markforged|カーボン/金属対応3Dプリンタ

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コラム 2022.04.20 更新

3Dプリンタに最適な設定

3Dプリンタに最適なパラメーター設定

これまでの従来工法を3Dプリンタの製造に置き換える事で大きな利益を生み出すことが出来ます。しかし、その際に設計変更をせずにそのまま3Dプリンタで出力をしていませんか?
もしかしたら、そのデータは3Dプリンタに適さない設計かもしれません。また、設計変更をする事によって、より良い結果が得られる可能性もあります。
これまでの設計は、機械加工を前提として作り上げてきたデータです。はたしてそのデータは3Dプリンタに最適と言えますか?
この記事では、3Dプリンタの特徴や仕組みを説明し、最適な設計やパラメーター設定が出来るように援助します。

◆造形の向き
どんな材料を使用しても、FFF方式でもCFFでも、3Dプリンタで造形されたパーツはプリントベッドに平行な力に最も強いので、造形の向きがパーツの強度を左右することになるのです。3Dプリンタは、2Dの層を積み重ねることで造形物を製作します。ほとんどの場合、材料自体の強度よりも2Dの層の接合部分の強度の方が劣ります。部品に負荷がかかると、その力は強度の弱い部分に集まる傾向があります。層はひび割れや木目のようなもので、2Dの層が重なっているため、垂直に引き離したり、せん断で押し出したりすることは容易です。


垂直方向への力に弱く、平行方向への力に強い

部品を造形する前に、部品のどこに圧力や荷重がかかり、その力がどのようにモデル内を伝達していくかを考えます。どこに曲げの力がかかるか?引張力?せん断力?よくわからない場合は、パーツがどのように、どこから、どの方向から接触しているかを考えてください。必要であれば、図を描いてみてください。そうすることで、造形の方向について、最適な設定が出来るはずです。


図を書いて、部品に対してどのような力が加わるか考える

◆積層ピッチ
3Dプリンタにおいて、積層ピッチは細かれば細かいほど、高精度で高精細な部品を造形する事が出来るため、細かい積層ピッチの方が良いと考える傾向にありますが、
積層ピッチが変動する事によって、基本的に強度が変化する事はありません。
細かい積層ピッチで造形をすると、材料同士の隙間が小さくなり、使用する材料は増加します。一方、粗い積層ピッチで造形をすると、一層の厚みが太くなる分、層同士の隙間が大きくなり、全体の材料としては減少する傾向にあります。


この図は、積層ピッチが細かいものと粗いものの断面を表したものです。ピッチが細かいと、部品精度や精細は向上するが、強度が変動する事は基本的にありません。

◆インフィル(内部)/シェル(外壁)
サンドイッチパネル理論により、シェル(外壁)は、造形物内部のインフィルよりも部品の曲げ強度に大きな影響を与えます。また、シェルは部品の表面になるため、荷重が大きくかかる傾向があります。


お使いのスライサーソフトで、シェルやインフィルの設定が出来るはずです

インフィル(造形物内部)はシェル(外壁)のように部品の曲げ強度に影響を与えるわけではありませんが、インフィルを重要視する理由は、もちろんあります。
インフィルは部品の内部を支える柱として機能するため、これがなければ壁やシェルを支えるものは何もありません。インフィルは、パーツの剛性を高め、パーツの壁が変形したり、天面が陥没したりするのを防ぐ効果があります。
インフィルの密度が低いと、造形品質の低下や造形の失敗に繋がるため、3Dプリンタで造形をするサンプルの密度は30~50%の範囲になるのがほとんどです。

◆3Dプリンタのインフィルパターン
Triangular Infill(三角形):
三角形のインフィルは、最も強いインフィルパターンです。変形しにくく、効率的にパーツの全体を支える事が出来ます。強度だけでなく、このタイプのインフィルは、直線的に移動するため、比較的速く造形することが出来ます。このように、強度とスピードを兼ね備えた三角形のインフィルは、3Dプリンタにおけるインフィルの最適解の1つです。

Rectangular Infill(四角形):
四角形の長方形インフィルは、平行と垂直の押し出し材が格子状に配置されているため、密度の調整幅が一番広いです。プリントヘッドも直線的に移動するため、造形時間の短縮にも繋がります。

Hexagonal Infill(六角形):
六角形のパターンで構成されているため、インフィルパターンの中で最も重量(密度)に対する強度が高いタイプです。しかし、上記2タイプと違って、直線的でないため、造形時間が延びてしまう傾向にあります。

◆インフィル(内部)/壁厚
FFF方式の3Dプリンタの場合は、インフィルやシェルをどれだけ工夫をして最適解のパラメーターにした所で、使用する材料の物性値以上の強度を実現する事は出来ません。
Markforged(マークフォージド)社製3Dプリンタでは、カーボンファイバー、グラスファイバー、ケブラーなどの連続繊維を造形物に積層することで、通常3Dプリンタで使用するプラスチックよりもはるかに高い強度を実現する事が出来ます。さまざまなファイバーを用途に応じて使用する事が出来、部品にかかる負荷に対して最適化することができます。パーツが激しく摩耗することを想定している場合は、ケブラー連続繊維強化材を使用することができ、摩耗が進み、露出すると高い耐摩耗性を発揮します。


約3.5kgの重りを試験片に吊り下げた様子
(左から、連続繊維/強化ナイロン/ABS/PLA)


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