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コラム 2020.09.08 更新

教育におけるAM(Additive Manufacturing) | UMass Amherst ADDFab

教育におけるAM(Additive Manufacturing)  |  UMass Amherst ADDFab

ここ10年でAM業界は劇的に変化しました。同様に教育においてのAMも変化しています。 早いところでは小学校で3Dプリントを学んでいます。例にもれず私の子供も学校で3Dプリンタに触れています。 しかし、その教育機関のほとんどは低価格帯の3Dプリンタを使用しています。 私の目標は3Dプリントの工業レベルの製造能力を学生に認識してもらい、学生が実社会での応用方法を学び、AMの有用性を理解出来るようにすることです。 多くの企業が生産にAMを使用しており、世界的に3Dプリンタが単なるおもちゃのためだけのものではないことを理解し始めています。 私たちは高品質で工業レベルの部品を生産するプリンタを学生に実際に体験してもらうため、ラボの建設に取り組んできました。 現在私は、UMass AmherstのライフサイエンスラボでADDFab(Advanced Digital Design and Fabrication Core Facility)を運営しています。 ADDFabとは豊富なプリンタとプリント技術を備えた完全なデジタルデザインAM施設です。

UMass Amherstのライフサイエンスラボ

ADDFabに設置されているプリンタのほとんどは研究を行っている学生やスタッフが使用しています。 これらのプリンタはすべて、マサチューセッツ州コモンウェルスのライフサイエンスカウンシル(MLSC)からの助成金で購入したものです。 私たちは特定のプリンタメーカーに縛られておらず、様々な企業や組織と協力して教育と技術の発展に努めています。 ハイエンドの3Dプリンタの研究室からもたらされる可能性を念頭に、私たちは3つの主要な分野に力を注ぐようにしています。 ① 設計 ~ 品質の高い造形 ADDFabのメインのサービスは、工業レベルの部品を設計して造形することです。 材料はナイロン12、ステンレス鋼、Onyx、UV硬化ブレンド材料など、さまざまな3Dプリントの材料を使用しています。 このように選択肢を増やすことでキャンパス内やお客様のほぼすべての製造ニーズに対応できます。

ADDFabでプリントされたPLAとONYXの造形品

ADDFabにはOnyxOneとMarkTwoがあります。 ADDFabでは様々なメーカーの3Dプリンタが導入されている為、合計で5つの異なるソフトウェアを使用してそれぞれのプリンタを操作しています。 MarkforgedのWebベースのEigerは私の一番のお気に入りです。Markforged社のプリンタの魅力のひとつは「ウォームアップ」してすぐに印刷を開始出来る事です。 他のプリンタでは複雑なセットアップ手順があったり、ヘッドを暖めたり、造形テーブルやトレイを構築するのに何時間もかかったりしますが、Markforgedのプリンタではそのようなことはありません。 そのため、迅速なプロトタイピングに最適なプリンタとなっています。 操作も簡単なのでMarkforgedプリンタはADDFabで非常に人気があります。 ② AMの研究 ADDFabの2番目の重点分野は積層造形の研究です。 現在、この研究は2つのカテゴリに分類されます。 1つ目は材料の研究です。この研究では主に金属に焦点を当て、3Dプリントに最適な金属合金を研究しています。 従来の金属合金は他の製造プロセス用に最適化されていましたが、3Dプリント用に金属合金を最適化するとしたらどうなるのか。 2つ目の研究は3Dプリントする形状についてです。この研究の主な焦点はラティス構造であり、これらは様々な考え方があります。 私たちの研究目的は企業が求める形状を表現するにはどのように3Dプリンタを使用すれば良いのかを理解出来るようにする事です。 この研究は論理的に考える必要もありますが、時には感覚的なセンスも必要です。 完璧なプリントをするためにはノウハウや発想力が必要になってきます。 ③ 教育 ADDFabの3番目の重点分野は教育です。 AMを学んでいる学部や大学院の授業をサポートし、学生にこれらの機械の使い方を教えています。 私は3Dプリントで部品を設計する際には製造プロセスを理解することが不可欠だと考えており、学生が3Dプリンタによる積層技術の能力(と限界)を理解するのを支援したいと考えています。 また、AM業界の関係者を対象としたハンズオンワークショップも開催しており、ハイエンド3Dプリンタの使い方を実際に体験してもらっています。授業の一部を学生に手伝ってもらうことも多く、業界のメンバーとのつながりを作る良い機会となっています。ADDFabの卒業生は、その経験を活かして、AM業界で働くことも多くあります。 ADDFabの今 ADDFabは新コロナウイルスのパンデミックの間、地元企業の支援を続けました。 最近では繰り返し使用出来る呼吸器を大量生産するために、オープンソースの人工呼吸器プロジェクト(Open Source Respirator Project)を発足しました。 私たちはこの呼吸器の製造に使用する金型や顔のモデルなど様々なものを試作し、地元企業を支援しました。このプロジェクトでは学生スタッフがすべてのプリンタを操作し、3Dプリントされた部品を納品しました。

3Dプリントされた呼吸器

研究分野では先日、コンピュータサイエンスの研究プロジェクトのための非電子センサーの作成を任されました。 自宅待機を求められていたので、私はMarkforged Onyx OneとMakerbotを持ち帰り、キャンパスにいる時間を短縮することが出来ました。この2つの組み合わせはとても効果がありました。Onyxの素材は優れていましたが、我々が必要としているヘアスプリングには十分なバネ性がなく、PLAがちょうど良い硬さでした。 部品の品質や仕上がりはMarkforgedの方が優れていましたが、両方のプリンタがなければこのプロジェクトを完了することは出来ませんでした。 ADDFabのこれから ADDFabは学生の募集をほとんどしていませんが、研究室に入りたいと思っている学生が非常に多くいつも驚いています。 彼らは皆、AMに本当に興味があり、学びたいと思っています。 AMが製造業の今後を支えていくテクノロジーであることを十分に理解しています。 私たちの目標は、学生/キャンパス/コミュニティに3Dプリンタでプリントできる造形物の素晴らしさを伝えることです。もちろん、人々に素晴らしい部品を提供したり、研究を進めたり、学生がAM業界で素晴らしい機会を見つけられるように支援したりすることも私たちの仕事の醍醐味であると思います。   オリジナル記事はこちらから


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