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コラム 2021.06.24 更新

低価格3Dプリンタと産業用3Dプリンタって何が違うの?

低価格3Dプリンタと産業用3Dプリンタって何が違うの?

2009年4月に発売された”Makerbot Cupcake CNC”を皮切りに、コンシューマ向けの3Dプリンタは、製造業や製品開発に大きな変化をもたらしました。
これらの低価格3Dプリンタは、CADを使えるエンジニアや設計者であれば誰でもラピッドプロトタイピングができるようにし、3Dプリントの分野を世界的に注目させるきっかけとなりました。
こういった低価格3Dプリンタが普及したことで、3Dプリンタの潜在的な用途が広く探求されるようになりましたが、その多くは3Dプリンタの能力を超えた部品を必要とするものでした。機械への期待とその性能のミスマッチが低価格3Dプリンタにはありました。

ギズモードで紹介されるMakerbot社の3Dプリンタ(”Makerbot Cupcake CNC”)

この3Dプリンタブームが去った後、重要なことが2つ起こりました。
1つ目は、3Dプリンタ自体の性能が大幅に向上したという事です。3Dプリンタの肝であるスライサーソフトのアルゴリズム改良や使用出来る素材の種類が増えたことで、今までのマシンよりもはるかに使い勝手がよくなっています。
2つ目は、より重要なことですが、各3Dプリンタメーカーがプロ仕様のマシンを、コンシューマ向け3Dプリンタに匹敵する価格帯で発売し始めたことです。
これらの3Dプリンタは、見た目は似ていますが、いくつかの重要な違いがあり、現在ではコンシューマ向けと産業向けに分類されます。

Makerbot Replicator 2は、多くの大学の研究所や試作施設で使用されている主力マシンです。

それで、何が違うの?

◆材料
低価格3Dプリンタで使用される材料は低グレードのものを使用します。
もちろん例外はありますが、低価格3Dプリンタの大多数はPLA と ABS で造形をします。
PLAは、ほとんどの3Dプリンタで造形する事が出来、扱いやすくて強力です。
ただし衝撃や熱、温度に対する耐性が低いため、製造業で使われるような用途ではすぐに失敗します。
昨今、低価格3Dプリンタの進歩により、Tough PLA などの材料が生み出されました。
これは、以前のものよりも大幅に優れた耐衝撃性を備えていますが、それでも40度前後で脆くなってしまいます。ABSは耐熱性が優れていますが、PLA よりも弱く、耐薬品性はありません。

一方、Markforged(マークフォージド)のような産業向けの3Dプリンタは、短繊維のカーボンを織り交ぜた強化ナイロンを使用して造形します。この素材は、PLA よりも高強度で、耐熱性と耐熱性もあります。さらに、Markforged社製3Dプリンタは、一般的に使用される3Dプリンタ用の材料よりも20倍強いパーツを作る事が可能な長繊維ファイバーを使用しています。

◆信頼性
低価格3Dプリンタはより低価格を実現する為に、ほぼすべての主要部品のコストを削減します。低品質の部品で組み立てられた3Dプリンタは結果、造形の失敗と全体的な不整合につながります。以下の部品は3Dプリンタ主要部品であり、安価な部品だと問題が生じます。
安価なガントリー システム
位置ずれや品質低下の問題を引き起こし、すぐに摩耗します。
ガントリーが壊れると、プリンタは使用できなくなります。
安価なノズルとプリントヘッド
押し出し不足や詰まりが頻発します。結果、ヘッドやノズルの消耗/故障に繋がります。
安価な素材
印刷品質と印刷設定に一貫性がなく、使用用途が限られています。
安価な造形テーブル
最初のレイヤーのプリントに失敗し、すぐに消耗します。


過去数年間で、低価格3Dプリンタは様々な改善を進めていますが、ほとんどのプリンタは依然として基本的な問題に苦しんでいます。産業用の3Dプリンタには、長期間使用するために設計された高品質の部品で形成されております。消耗部品は、煩わしさを最小限に抑えるために簡単に交換できるように設計されています。

◆造形品質と寸法誤差
産業用3Dプリンタの場合、産業用途に使用できるように、許容可能な製造公差内でパーツを造形する必要があります。
残念ながら、ほとんどの低価格3Dプリンタは、造形の正確さを優先しません。
その為、公差内で造形する事が出来ず、使用できなくなります。場合によっては、印刷公差がミクロンではなくミリメートルで測定されます。寸法誤差の低下に加えて、劣悪な材料と印刷環境が組み合わさると、パーツの品質がさらに低下します。低価格3Dプリンタで造形した部品に表面には欠陥や反りが見られることは珍しくありません。

Markforgedで造形されたパーツ

産業用3Dプリンタでは、印刷品質を優先します。造形の設定を最適化して、許容誤差を製造基準 (0.005 インチまたは 125 ミクロン) 内に収めながら、安定性の高い素材を使用し、反りがなく、優れた表面仕上げを実現する事が可能です。



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