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コラム 2021.06.04 更新

Battle BotsにおいてのMarkforgedの活躍

Battle BotsにおいてのMarkforgedの活躍

アメリカのテレビ番組で人気を博している”Battle Bots”(バトルボッツ)。
“Battle Bots”は100kg近いの遠隔操作ロボット同士が死闘を繰り広げるテレビシリーズです。
Markforgedはこの番組に出場するチームの一員として、2018年と2019年のシーズンの設計、構築、修理のプロセスのすべてに携わりました。
完成したロボットの名前は”Valkyrie”(ヴァルキリー)
“Valkyrie”は 約30kgの強力なカッターブレードを底面に装備し、機動性のある戦闘機のようなロボットです。
Markforged社のプリンタは様々な形で貢献しました。
3Dプリンタの最大のメリットである、形状の自由度や迅速な部品の造形はもちろんですが、Markforgedが活躍した理由は、そこだけではございません。
それは、他の3Dプリンタでは実現が出来ない、Markforged独自の材料の特性にありました。
実は“Battle Bots”の撮影は2週間という短い期間で行われています。チームが”Battle Bots”の出場に応募する時点では、どういった敵と戦うか、どのようなシーズンになるのか誰も分かりません。出来る事は、ただ良いロボットを作り、それを修理する為の準備をするだけです。
“Battle Bots”での”Valkyrie”のパフォーマンスを向上させるためには、改造を迅速に繰り返すことができるツールが必要だと考えました。そこで、Markforgedの3Dプリンタを4台、撮影現場に持ち込みました。

現場に持ち込んだ 4 台の Markforged 3D プリンタの前にいる”Valkyrie”。

“Battle Bots”で勝ち進んでいくには、ただ修理をするだけではいけません。
戦いのたびに、自分のロボットの部品が何故破損したのか、どのように動作するかを分析する事で新たな発見があり、次の対戦相手の対策が打てます。その為、破損した場合にロボットの部品をすぐに交換できるように準備しておくだけでなく、迅速に改善することが重要なポイントとなってきます。”Battle Bots”では、”Valkyrie”を新しいスタイルで設計・整備することにしました。”Valkyrie”は、数本のボルトで部品を交換することができ、約一時間で、別の戦闘スタイルになる事が可能です。

“Valkyrie”は、簡単に取り外して交換できる一連のレールとパネルで構成されています。

チームとしての最大の強みはロボットの問題を迅速にデバッグし、解決策を導き出す能力です。今年、チームが直面した問題は、駆動モーターのカバーが不十分であったという事です。今にして思えば、この問題がどの程度のものかわからなかったのですが、もっと早くに考えておけばよかったと思います。”Valkyrie”が大きな衝撃を受けると、ベースプレートがたわみ、駆動モーターにぶつかり、内部の何かが外れて、試合の残り時間に使えなくなってしまうのです。これはエピソード1の”Hypershock”戦で起こったことで、この故障のせいで動くことが出来ず、”Valkyrie”は試合終了時には、上下逆さまになっていました。

駆動モーターが十分にカバーされていませんでした。

エピソード1”Hypershock”戦の1シーン(画像右が”Valkyrie”)

予選ラウンド中はほぼ1日おきに戦闘があります。”Ragnarök”(ラグナロク)との 2回目の対戦で 1 ヒットKOで勝利することが出来ました。
次の対戦相手は、強力な垂直スピナーで有名な”Monsoon”(モンスーン)です。
“Valkyrie”は次の戦いに備えて、改善するために時間を費やしました。”Monsoon”は、”Hypershock”と同様、高い攻撃力を誇るロボットです。上下逆さまにひっくり返るという醜態は絶対に防ぎたかったので、駆動モーターの問題を解決することを目指しました。
“Monsoon”戦に備える為には次の要件を満たすものが必要です。

薄型
ロボットの他の部品の邪魔にならないこと(”Valkyrie”の内部空間はほとんどがバッテリーと電子機器で占められています。)
軽量
100kgの重量制限を超えることができないため、あらゆる部品の軽量化が求められます。
衝撃吸収性
“Battle Bots”では巨大な衝撃や負荷に対応する必要があります。
衝撃の分散
衝撃荷重による力を広い面積に分散させ、部品への影響を軽減することが理想的です。
短納期
メインフレームとスペアフレームの両方に、次の戦いの前に作って取り付けられるようなものを求めました。
耐久性
“Battle Bots”において、修理は付き物ですが、出来るだけ修正を減らすことが重要です。耐久力の高い部品を使用する事で、修繕工数を軽減し、改善工数に当てられるからです。
そのため、耐久性があり、カスタムメイドで軽量、かつ短納期のソリューションを求めてMarkforgedに頼りました。2時間以内に駆動モーターのマウントを設計し、造形して、”Valkyrie”に取り付けました。マウント自体はモーターとフレームの間に設置され、戦闘中の衝撃に耐える為、長繊維のケブラー®による補強が施されています。フレームに皿穴を開け、ロボットに取り付けたときにマウントが一列に並ぶよう、パーツに位置決めの機能を持たせました。なんと、これだけでモーターの問題が解決しました。それほど簡単だったのです。

モーターの背面を支えることで、より高い耐衝撃性を実現しています。

この修理により”Monsoon” との戦いに備える事が出来ました。

Markforgedで補強された、モーターマウントやその他部品は素晴らしい働きをしました。”Monsoon”との戦いでそれらは完璧に機能し、今回の修正により耐久性の高い、信頼性のあるロボットが完成しました。
“Battle Bots”においてMarkforgedを使用したソリューションにたどり着いたのは、このチームだけではありませんでした。多くのチームが同じような症状のモーターサポートの問題を抱えており、撮影現場にあるMarkforgedを利用して改善を図りました。いくつかの例をご紹介しましょう。

”Mammoth”という獣のようなロボットのモーターマウント

ノコギリロボット”Skorpios”のモーターマウント(ケブラー®使用)

BattleBots会場に設置されたMarkforgedはロボットを修理するだけでなく、機能性を向上させました。それは”Valkyrie”だけではなく、あらゆるロボットにも適用されております。イベント期間中にロボットの性能が大きく向上することは稀ですが、今回はMarkforgedのおかげで多くのロボットの性能が向上し、より良いロボット、より良い戦い、そして最高の”BattleBots“シーズンとなりました。
“BattleBots”は、ディスカバリーチャンネルで放送されています。



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