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エネルギー&プラント研究

3Dプリンターを活用した完全自律型ロボット (地中探査用ロボット)

NASA JPL’s Team CoSTAR

2021.10.04 更新


NASA JPL’s Team CoSTARは

探索の限界を超える

“DARPA Subterranean Challenge”というプロジェクトは、地球上でも宇宙上でも、地下環境を迅速に探索するロボットシステムの安定性や自律性を高めることを目的としてNASA発足のチャレンジプロジェクトです。
“DARPA Subterranean Challenge”(以下DARPA)は、軍事/商業/政府のための最先端の研究を促進することを目標としています。 このプロジェクトが注力しているのは、惑星探査や鉱山、洞窟、自然災害後の捜索・救助などの地上でのアプリケーションであり、それらを実現する、地下の空洞を探索する完全自律型システムを開発していきます。
このプロジェクトに参加するメンバーは、“NASA JPL’s Team CoSTAR”(以下CoSTAR)と呼ばれ、 NASAジェット推進研究所(JPL)、マサチューセッツ工科大学(MIT)、カリフォルニア工科大学(Caltech)、韓国科学技術院(KAIST)、スウェーデンのルレオ大学がメンバーとなり、アプリケーションの開発に携わりました。

“DARPA”チャレンジの目的である、自律型探索ロボットは、過酷な地形を探索する必要があり、ロボットの能力の限界を超える必要があります。

世界中から集まった60名のエンジニアで構成される”CoSTAR”は、”DARPA”の大会に参加する10チームのうちの1つです。このチャレンジは3つのエリアステージで検証実験をされます。
「トンネル」「都市」「洞窟」の3つのエリアで構成されており、その後、3つの環境を統合した「ファイナルイベント」が行われます。成功すれば200万ドルの賞金が与えられ、今後の研究プロジェクトの資金源となります。チーム“CoSTAR”は、トンネルエリアで2位、都市エリアで1位となり、本稿執筆時点では、洞窟エリアとファイナルイベントへの出場を目指しています。


“CoSTAR”が開発した自律型ロボット(Nebulaと命名)には、約15個のMarkforged(マークフォージド)社製3Dプリンタで造形したパーツが使用されております。

①CoSTAR”の由来は「Collaborative SubTerranean Autonomous Resilient Robots」からきております。
(直訳で、「地中の汎用性自立型回復ロボット」となります。)
②第1回”DARPA”グランドチャレンジは、 2004年3月13日に開催されました。
③”CoSTAR”の一員である、NASAのJPLは、他の惑星に生命が存在するかどうかという問題を解決するために、新しい技術を使用することを目的としています。

THE CHALLENGE

各エリアの地形は、エリアによって大きく異なります。不整地や薄暗い場所、さらには階段がある場合もあります。自律型ロボットは、劣悪な環境下でも移動できなければならないため、テスト中に転倒したり、重要な部品が壊れたりすることがよくあります。 “CoSTAR”は、耐衝撃性のある軽量な自律型システムを事前に準備するだけでなく、壊れた部品を現場で迅速にメンテナンスしたり、テストの合間にデザインを迅速に変更したりして、競争を勝ち抜かなければなりませんでした。ライバルに遅れを取らないためには、故障した部品の迅速な現場でのメンテナンスや、迅速な設計変更が必要でした。もし現場で部品が故障した
ら、”CoSTAR”は成す術もなくなるという結果になりかねません。チームは頻繁に未知の領域に挑戦するため、迅速に対応するためのツールが必要です。チームはBostn Dynamics社の協力を得て、大会のために数台のスペアロボットの制作を援助してもらっています。CoSTARのエンジニアとデザイナーは、故障や設計の変更があった場合、ブラケットや筐体などの追加部品を迅速に設計・作成しなければなりませんでした。これまでは、木材や機械加工、レーザーカッターなどを使って部品を作っていましたが、他のチームに差をつけるためには、別の選択肢が必要だと考えました。 3Dプリンタは、迅速な反復作業やスポットでの部品の修正に最適なソリューションでした。3Dプリンタのメリットを理解した”CoSTAR”は安価なPLA製の3Dプリンタを導入しました。しかし、3Dプリンタで造形した部品が破損する可能性がある為、重要な部品に使用する事が出来ず、過酷な環境下で使用するロボットには、部品の強度が足りなかったのです。例えば、ロボットの上部に取り付けられている高価なライダーセンサーは、絶対に壊れてはいけません。センサーからの信号を正確に活用するためには、センサーを保護するための素材に優れた剛性と耐振動性が求められます。また、PLA方式の3Dプリンターでは、表面仕上げの悪いパーツができてしまうため、造形後の後処理に多くの時間を費やしていました。彼らが必要としていたのは、現場に持ち込んで迅速にデザインを試作し、テスト後に本番パーツを造形できる、時間のかかる後処理の手間を省くことができるシステムが必要でした。

THE SOLUTION

幸いなことに、チームはMarkforged社の3Dプリンタを利用することができました。”CoSTAR”のメンバーであるNASA JPLは、既にMarkforged社の3Dプリンタを購入していたため、 ”CoSTAR” は、 Markforgedがすべての要求を達成するための最善な選択肢であることをすぐに実感しました。 Markforgedを使用して造形されたブラ
ケットとマウントは、実際にアルミニウム製のものよりも性能が高く、はるかに軽量であることがわかりました。その上、Markforgedで造形したパーツは、故障することなく繰り返し使用することができ、耐久性も優れており、あらゆる面でメリットを生み出しまし
た。”CoSTAR”はMarkforged 3Dプリンターで連続炭素繊維(カーボンファイバー)を使って、$7,000もする高価なライダーセンサー用の
ケージをMarkforgedの造形品に置き換えしました。この部品は多少の衝撃を受けましたが、ライダーセンサーは全くダメージを受けることなく、機能的な部品が完成致しました。
大会期間中、チームはMarkforgedの地元の代理店であるGovSmart社の協力を得て、Markforgedのプリンタを1台から3台に増やしました。その後、Markforgedは2020年に”CoSTAR”のスポンサーとなり
4台目のプリンターを提供しました。”CoSTAR”は、プリンタを持ち出し、ホテルの部屋に数台を設置して、翌日の現場使用のために一晩で部品を製作しました。チームにとって、Markforgedへの信頼は非常に高いもので、夜通しかけて部品を造形し、翌日の朝にはテストを行います。彼らのMark Twoは納得のいく、高品質な製品だけを造形しております。

Markforgedプリンタで造形された部品の再現性、そして後処理を必要としない美しい機能的な部品を作り出すことが可能なMarkforgedは、最善のソリューションだと言えます。

THE Future

“DARPA”グランドチャレンジは、多くの人にとっては単なる大会かもしれませんが、“CoSTAR”にとってはそれ以上のものです。彼らにとってこのチャレンジは、月や火星、さらには土星や木星の月での地下探査を可能にするための出発点となるものです。この大会のためにロボットの能力を構築することで、チームは将来的にNASA JPLのミッションで地下環境を探査し、生命の発生、他の惑星に生命が存在したかどうか、そして将来的に人間が居住できる可能性があるかどうかを知ることができるようにしたいと考えています。そして、AM(アディティブ・マニュファクチャリング)技術は、そこに到達できることを証明するのに役立っています。
Markforgedは、チームCoSTARのサプライヤーであり、スポンサーであることを誇りに思っています。


※引用サイト:https://markforged.com/jp/resources/nasa-jpl-team-costar
※株式会社データ・デザインで翻訳しております。
※株式会社データ・デザインはMarkforged社の国内正規販売代理店です。



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