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金属3Dプリンター MetalX対応材料インコネルの事例

Nieka Systems 社

2021.08.04 更新

Artec Leo

インコネル625を使用したるつぼの造形

課題

Nieka Systems社は、鉱業やセメント製造業のお客様が製造工程での分析や品質保証を行うためのサンプル試験装置を製造しています。Nieka社の装置で鉱石やセメントのサンプルを溶かし、サンプルの成分分析や検証などに使用します。
材料サンプルは、プラチナ製のるつぼの中で溶融され、溶かされたサンプルはプラチナ製の金型に注がれます。溶解温度は1000度まで到達し、その後、サンプルは金型に注がれて急速に冷却されます。このように急激な温度変化を繰り返すため、 Niekaの装置の内部部品には、高温に耐え、急激な温度サイクルに耐えられる材料が必要とされます。
インコネルは約1000℃までの温度に耐えられるニッケルベースの超合金であるため、ガスバーナー上で、るつぼと金型を固定するクリップには妥当な素材でした。
Nieka社は当初、インコネル製のるつぼクリップを製造する為にCNC 加工を検討していましたが、コストが予算をはるかに上回ってしまい、工数もかかってしまう事が分かりました。そこで、3Dプリンタの造形サービスを利用して、レーザー焼結方式である”DMLS方式”でインコネルのるつぼクリップを外注することにしました。
DMLS方式の金属3Dプリンタを使用した外注のコストは、当初は非常に魅力的でしたが、次第に需要が増加し、リードタイムは非常に変動しやすく、予測が困難でした。すでに世界20カ国に装置を納入しているため、製品の需要に対応出来るかどうかが不安視されていました。

インコネルは約1000℃までの温度に耐えられるニッケルベースの超合金です。

ソリューション

DMLS方式のインコネル製るつぼクリップの成功により、 Nieka社の創業者である Louis Croisetière Ph.D.氏は、外注費の削減とリードタイムの短縮の為に、製造を内製化する必要があると判断しました。外注費を削減し、リードタイムを短縮し、安全で使いやすく、予算内に収まるソリューションを求めていました。3Dプリント市場を徹底的に調べた結果、 Louis氏と彼のチームはMarkforged社のMetalXを導入する事に決定しました。

左がMetalXで造形されたるつぼクリップ、右がDMLS方式で造形されたるつぼクリップ。

「Markforged社は、現場ですぐに活用できるシステムと長年のビジネス経験を持っていた。」とLouis氏はMarkforged社製3Dプリンタの実績を評価し、MetalXと2台のコンポ
ジット3Dプリンタを導入しました。
Nieka社は、以前に設計したるつぼクリップを再設計し、 MetalXでインコネル625を使い、簡単に造形する事が出来ました。MetalXで造形されたこのクリップは、社内のテストに合格した後、現在では世界中のNieka社の設備で使用されております。

Markforged社製3Dプリンタを導入して運用が出来る事が分かって以降、Louis氏と彼のチームは、クリップをどのようなデザインにするのかを考えています。コンポジット3Dプリンタで試作品を製作し、MetalXでインコネルを使用する。このようにMarkforged社製3Dプリンタが会社全体で使用されています。「従来の方法を使用していた場合のような設計上の制限はありません。」とLouis氏は述べています。「同じ部品を従来の方法と比べ10倍も安く、4日で造形する事出来るようになりました。」

今後の展望


Nieka社は、Markforged社製3Dプリンタを社内に導入することで、製品開発を加速し、市場投入までの時間を短縮しました。 Metal Xは製品開発を加速させただけでなく、Nieka社はコンポジット3Dプリンタを使用して治具やアセンブリの製作にも活用しています。Metal Xはるつぼとクリップのみに使用される予定でしたが、現在では他の生産部品にも使用されています。「我々は部品をプリントするという前提条件で、設計をしていおり、これまでの作業方法を大きく変えたと言えるでしょう」とLouis氏は述べています。

るつぼクリップは高温で加熱されている間、サンプルを所定の位置に保持します。

社名:Nieka Systems
産業:研究設備
アプリケーション:最終製品
所在地:カナダ
導入年:2018年

※株式会社データ・デザインはMarkforged社の国内正規販売代理店です。



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