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製造業自動車
カーボン対応3Dプリンターを活用した最終製品 (レーシングパーツ)
GarryRogersMotorsport社
2021.05.19 更新
Markforgedのテクノロジーを使用したレーシングカーのパフォーマンス向上
Garry Rogers Motorsportとは
Garry Rogers Motorsport はオーストラリアの最も古いモータースポーツチームであり、全米のSupercars Championship,Dunlop Super2 Series,Bathurst 1000など数々の大会で勝利を収めています。
Garry Rogers Motorsportのチームは約40名程で、スポーツカーの設計、製造、メンテナンスをしています。
課題
社内の工場では手動での機械加工や複合材の製造を行うことができますが、CNC工作機械はありませんでした。その為、少量の複雑な部品が必要になるたびに外注を依頼していましたが、非常に時間を要し、費用コストが高くなっていました。部品の外注に費やす時間が長ければ長いほど、チームはレーシングカーのパフォーマンス向上を研究する R&Dプロセスの時間が削られていました。
Garry Rogers Motorsportのエンジニアや設計者は数値流体力学(CFD)ソフトウェアを使用して、部品の空気の流れをテストします。ソフトウェアはレーシングカーがより速く走行出来るように、部品の設計変更を要求してきます。その為に、チームは従来の製造方法では作成する事が困難な、非常に複雑な部品を作成する必要があります。もし、従来方法で設計可能な構造であっても、部品の設計に高いコストと長いリードタイムが必要になり、エンジニアや設計者の大きな課題でありました。
ソリューション
2013年、Garry Rogers MotorsportのチームマネージャーであるMillard氏は、試作や生産部品を作成するための新しい補完的な製造方法として3Dプリンターを工場に導入しました。その後、彼の研究を通じて炭素繊維を含む部品を3Dプリントできる新しい3Dプリンターが発売される事を知った。「試作だけでなく、強力な最終製品を作ることを意識したメーカーはMarkforgedだけのようだった」と彼は回想する。チームはレーシングカーで使用できる強力な部品を製造するために炭素繊維を必要としており、高い耐久性が必要でした。Millard氏は数か月後にMarkforgedのカーボンファイバー3Dプリンターを事前注文し、Garry Rogers MotorsportはMarkforgedテクノロジーに投資したオーストラリアで最初の企業の1つになりました。
現在、Garry Rogers Motorsportのチームは、主に3Dプリンターを使用して、治具や固定具、レーシングカーの最終製品まで複雑な部品を製造しています。Millard氏によると、数値流体力学(CFD)ソフトウェアの提案に基づいて、製造された部品の約半分以上が最終用途向けになるとの事です。一部の最終製品には、ドアロック用のカバー、ギアボックスハウジング、ステアリングホイール、ドライバー用のカメラマウントなどがあります。最近の例では、ブレーキダクトの金型を作成するために使用されるパーツを Markforgedで作成しました。これは以前、$1,000AUDで製造に2週間かかっていました。チームは同じ部品を社内で$75AUDでプリントし、所要時間を24時間に短縮しました。ブレーキダクトには、減算法を使用している為、簡単に作成できない細かいデザインに含まれています。3DプリンターはCNCとは異なり、設計に細かいディティールの追加をしても、コストや時間が増えることはありません。
今後の展望
Millard氏によると、設計の柔軟性とリードタイムの削減は、投資の2つの最大の利点です。これにより、チームはレーシングカーのパフォーマンスを向上させることができました。
Markforged を導入して以来、以前は組み立てが必要だった部品を1つの部品としてプリントすることで、組み立て時間を短縮することが出来ました。
Markforgedテクノロジーの導入効果は、R&Dに大きな影響を与えています。「Markforgedプリンターを使用することで削減出来る時間は、設計や部品の追加、またGarry Rogers Motorsportのレーシングカーのさらなる高速化を実現する方法を見つける時間に直接費やされます。この時間を使い、さらに速いレーシングカーを設計する事が我々の主な目標です。」とMillard氏は言います。