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コラム 2023.09.11 更新

その情報、本当に正しい? 3Dプリンタ選定方法

その情報、本当に正しい? 3Dプリンタ選定方法

使用経験のない方や馴染みの薄い方にとって、3Dプリンタというものは正確なイメージを掴むのが難しく、3Dデータさえあればどんなものでも形にできる、3Dスキャナでのスキャンデータをそのままプリントできる等、誤解されることも多い製品です。実際には、3Dプリンタにはそのプリンタごとに得手不得手があります。
そこでこの記事では製造方法や材料などから、目的に適した3Dプリンターの選定方法をご紹介します。

選定のステップ

1. 用途に適した「造形方式」を絞り込む

2. 求める特性を備えた「材料」を絞り込む

3. 一度にプリントする「点数」や「サイズ」で絞り込む

4. 専用「ソフトウェア」のタイプや機能を確認する


 

1. その用途に適した「造形方式」を絞り込む

3Dプリンタの精度に最も大きく関わる要素は「造形方式」です。造形方式は作る際の方式(やり方)となり、作り方が異なれば出来栄えも変わり、また各造形方式には得手不得手が存在します。
エントリーモデルとなる小~中型機が存在する3Dプリントの造形方式は現在以下の5方式で、このうちFormlabsではSLAとSLS方式を採用しています。

現在主流と言われる造形方式には、ロール状のフィラメントと呼ばれる線材を熱で溶かし、ノズルから押し出して積層するFDM(熱溶解積層)方式、液体のレジンと呼ばれる光硬化性樹脂をUV光で硬化させるSLA(光造形)方式、そして粉末状の樹脂材料をレーザーで溶かす等して造形するSLS(粉末焼結積層造形)方式の3種があります。
各造形方式の特徴とメリット・デメリットは以下の通りです。目的の用途に向いているか、ニーズを満たせているかを念頭に選定してみてください。


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2. 求める特性を備えた「材料」を絞り込む

3Dプリンタ選定時には、どのような材料が使えるのかを確認することも非常に重要です。例えば電子部品や半導体チップの生産ライン等では、静電気散逸性(静電気拡散性とも呼ばれる)を持った、いわゆるESD対策材料で治具やツール関係を製作する場合が多いです。このESD対策材料が使用できるのはほとんどがFDM方式ですが、Formlabsは光造形方式で唯一「ESDレジン」というESD対策材料が使用可能です。
メーカーやプリンタの機種によって使用できる材料は異なりますが、選定するプリンタで使用する材料がどのタイプの樹脂になるのかという点も重要になります。

ABSやPPなど一般的な材料は殆どが熱可塑性樹脂と呼ばれるもので、熱を加えると柔らかくなり塑性変形を起こします。対して光造形の3方式は、熱硬化性樹脂の仲間である光硬化性樹脂を使用します。耐熱性という点では熱可塑性よりも熱硬化性の方が優れているものが多く、光造形方式ではFormlabsのHigh Tempレジンのように、FDM方式やSLS方式以上に耐熱性の高い材料を使用できるケースもあります。

一方で光硬化性樹脂でABSなどを使用したい場合、ABSライクといった非常に近い機械的特性を発揮できるよう開発された相当材を使用することとなります。
その他にも光硬化性樹脂では近年、金型(樹脂型)に対応できる耐熱性と強度を兼ね備えたRigid 10Kレジンのような材料も登場しています。

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3. 一度にプリントする「点数」や「サイズ」で絞り込む

意図する用途に必要な精度を満たす造形方式を絞り込み、使いたい材料の目星がある程度付いたら、次は1回にプリントしたい点数や造形品のサイズを絞り込みます。

造形点数やサイズを決定するのは比較的容易ですが、プリンタの価格に直結する部分となります。最大造形サイズが大きなプリンタは大型になり、プリンタの価格もその分上がります。ただし最大造形サイズが大きなプリンタは大型造形を行う以外にも、平面上に複数点モデルを配置して、一度にある程度の数量をプリントできるというメリットもあり、どちらかといえばそちらの使い方が主流になっています。

また生産性を重視した選定を行いたい場合は、デスクトップサイズの小型機を3台、5台といったように複数台で運用する方法もあります。大型機と比べて小型機は保守料金やランニングコストが安価で、同等の生産能力であっても小型機を複数台で運用した時と大型機1台で運用した時を比較すればランニングコストに差が出ることも多いです。また、FormlabsのForm Autoのように小型機をデスクトップサイズのまま低コストで自動化できるソリューションも登場しており、方式と材料がニーズと合致すれば、こうしたオートメーション製品も選定要素の一つになります。

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4. 専用「ソフトウェア」のタイプや機能を確認する

選定も方式を絞り、材料に目星を付け、サイズや点数で更に絞り込んだら、次はソフトウェアを確認します。

多くの3Dプリンタメーカーは、専用のスライサーソフトと呼ばれる造形準備ソフトウェアを提供しており、造形の向き、角度、サポート材の付け方といった造形設定を行います。Formlabsの光造形3Dプリンタのように積層ピッチを任意で変更できる場合は、それもこの専用ソフトウェアで行うこととなります。
実はこの造形設定が、最終的な3Dプリント品の精度を決める上でも大きな役割を果たしています。

「誰もが簡単にものづくりができる世界」を目指すFormlabsでは、造形準備ソフトウェアのPreFormにて向きや角度、サポート材の付け方は誰もが簡単に行えるよう、ソフトウェアが自動でモデルの形状や重量を分析し、向きや角度、サポート材の付け方を自動生成するアルゴリズムが搭載されています。このアルゴリズムを使用することで、ワンクリックで造形設定を自動生成することもできます。

その他に重要なのが自社のITセキュリティポリシーです。専用ソフトウェアにはコンピュータにインストールするソフトウェアもあれば、クラウドベースのものもあります。サイバーセキュリティ対策が強化されている企業では、社内のネットワーク構造やセキュリティ仕様が原因で、何かしらの対策を施さないと専用ソフトウェアが使用できない場合があります。そのため最終2~3候補まで絞り込んだ段階で、IT担当者を交えて選定を行うことをお勧めします。

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