CASESTUDY 導入事例
Autodesk Fusion とManufacturing Extension で 加工パス作成時間を 1/3 に短縮し、さらなる短納期化を実現
合同会社 TPM カンパニー
2024.12.19 更新

急斜面と緩斜面ツールパスなどを活用してパス加工にかかる時間を短縮
Trial Production Mold(試作型)の頭文字を社名に掲げる同社は、「業界最速ゴム試作」を強みに、最短 3 日で納品した実績を誇る。業界最速の秘訣は、型の設計からゴム成形までを一貫して製造できる独自の「TR 工法」にある。Autodesk FusionとManufacturing Extension による急斜面と緩斜面ツールパスなどを活用して、パス加工にかかる時間を短縮し、クラウドを活用した製造業 DX を推進している。
同社は以前、CAD とCAM で別々のソフトを使っており、連携もスムーズであったため不満は無かったがある時、両ソフトメーカーの提携が解消されてしまい、CAD/CAM 連携が機能しなくなった。そこで、過去に使っていた経験のある Autodesk Fusion とManufacturing Extension を組み合わせた方が、理想的な CAD/CAM 連携を実現できると考えて、本格導入に至った。
その際、郡山氏はまず、Autodesk Fusion とManufacturing Extension の体験版を利用して操作感を確認した。その印象について「CAM 機能に関しては、YouTube などにオフィシャルや個人の投稿も含めて、かなりの動画があります。それらを参考にしながら、操作をはじめてから60 時間ほど経験してみて、これならば使えると判断しました」と郡山氏は語る。
導入の成果について、郡山氏は「大きなメリットは、急斜面と緩斜面ツールパスの活用で、CAM の加工データを作る作業が格段に早くなりました。」と評価する。
急斜面と緩斜面ツールパスは、スキャロップと輪郭のスタイルを組み合わせて 1 つの操作にするハイブリッド加工法で、中仕上げと仕上げに使用できる。急斜面と緩斜面ツールパスによる加工法では、モデルのサーフェスを評価し、ほぼ平坦な領域(緩斜面パス用)とほぼ垂直な領域(急斜面パス用)に分ける。
郡山氏は「平坦とスキャットを組み合わせた加工データの作成に比べて、急斜面と緩斜面ツールパスの活用によって、いままでは 1 つの型を作成するのに 3 - 4 時間はかかっていましたが、1 時間で処理できるようになりました。平均すると、月に 40 - 50 の型を作成するので、年間の最大数を 600 個とすれば、 1800 時間かかっていた作業時間が、600 時間に短縮されます。」と話す。
さらに「クラウドコラボレーションにより、私が出張で会社にいなくても、他の設計者が作成した CAM データを出張先で確認できるようになり、クラウド経由で修正も可能なので、圧倒的な時間短縮と機動性を手に入れられました」と補足する。
今後ついて、郡山氏は「取引先からは、紙の 2D 図面ではなく3D モデルで加工イメージを確認したい、という要望が多くなっており、設計から加工までを Autodesk Fusion とManufacturing Extensionで対応し、製造業 DX を推進していきます」と展望を語る。