CASESTUDY 導入事例

電子機器研究

カーボンファイバーを使用した高級オーディオシステム

Wilson Benesch 社

2022.01.31 更新

伝統的なオーディオシステム

近年、音楽を視聴する方法は一昔前と全く違います。ストリーミングサービスを始めとするデジタル音楽は、現在の主要な方法となっております。カセット、MD、CD、DVDオーディオ、かつて主流だった物理的な音楽フォーマットは、現在、市場からほとんど姿を消しております。しかし、ただ一つだけその流れに逆らうものがあります。それは、「レコード」です。レコードの売り上げは2020年には約30%も増加しております。

Wilson Benesch社について

Wilson Benesch社は、イギリスに本拠を置く家族経営のメーカーで、高級志向の家庭用オーディオ製品の設計・製造を専門としています。性能、技術、そして先進的な製品デザインを手掛けることは、この音楽業界にとって最も重要なことです。設立して、最初の製品であるレコード再生用のターンテーブルオーディオは、消費者向け製品では珍しかった炭素繊維複合材(カーボンファイバー)の部品が採用されていました。その後のすべての製品にも炭素繊維複合材の技術を採用し、業界をリードする性能やデザイン性を実現しています。
Wilson Benesch社の経営者であり、デザインディレクターであるCraig Milnes氏は次のように述べています。「2021年、革新的な製品デザインはこれまで以上に重要になります。昔と比べ、今日の消費者は高い知識と拘りをもっており、企業と消費者の距離が近くなっております。そのため、我々もその情熱に答える必要があり、ユニークかつ、「本物」の製品を提供していく事が重要となります。

Wilson Benesch社の製品のほとんどはカーボンファイバーを使用しております。

カーボンファイバーを使用した複合技術は、高度な技術が求められ、高品質の部品を迅速かつ繰り返し製造する為には、最先端の製造システムが求められます。
Wilson Benesch社は、CNC機械やカーボンファイバー複合機を運用して、部品の約90%を自社で生産しております。Benesch社は、新商品開発の為に、新しい製造技術を模索しました。

ソリューション

Wilson Benesch社は、2022年に新商品のターンテーブルオーディオGMT ONE System™を発売します。この製品の開発プロセスを通して、WilsonBenesch社はMarkforged(マークフォージド)のカーボンファイバー対応コンポジット3Dプリンタを活用する事に決定しました。Markforgedは、設計の自由度を広げる事ができました。。 Markforgedの現地の代理店は、この製品開発を通じてWilson Benesch社と協力し、製品開発を支援してきました。

Markforgedの3DプリンタのおかげてWilson Benesch社は、従来の方法で製造することが不可能なもの製作でき、高度に最適化された複雑な部品を作成することができます。さらに、その複雑な部品内部にカーボンファイバーを使用し、剛性や強度を保ちつつ製品全体の軽量化も実現しております。

GMT ONE Systems™のターンテーブルは現在、希望小売価格として約1000万円程を予定しており、並外れた仕上げの品質が要求されます。この製品は、高級路線であり、目の肥えた消費者向けに設計されているため、生産において、一切の妥協も許されません。

Markforged社製3Dプリンタを活用したGMT ONE Systems™は、 Wilson Benesch社がこれまでに取り組んできた中で最も挑戦的な開発です。Markforgedを使用すると、高性能で複雑な部品を造形する事ができ、製品を新しいレベルまで引き上げる事が可能になります。また、Markforgedを使用した試作は、より短いリードタイムで市場に投入できるようになります。以前はCNC加工機を使用して試作品を作製しており、工数として1週間以上かかる場合がありましたが、 Markforgedの導入により数時間で作製する事が可能になりました。

「弊社の新製品のいくつかは、Markforgedなしでは存在しませんでした」
-CraigMilnes氏 PRESIDENT WILSON BENESCH 社