株式会社データ・デザイン DesignX|ソリッド対応三次元リバースモデラ

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コラム 2025.06.20 更新

Geomagic DesignXで作られたゴールデンゲートブリッジの記念品

サンフランシスコのランドマークは、多くの人々を魅了しています。「サンフランシスコを訪れる方は皆、ゴールデンゲートブリッジを見に行きます」と、3Dスキャンのスペシャリストであるマルシオ・アダミー氏は語ります。

氏もまた、その魅力に抗うことはできません。「何度も橋を訪れるたびに、橋について新たな発見があります。そこで働く方々や、彼らがこの橋に寄せる深い愛情を知ることができました。彼らはこの橋のことを“ゴールディ”と呼んでいます。その思いが私にも伝わってきました。私自身もこの橋が大好きですし、素晴らしい場所だと感じています。だからこそ、この記念碑をスキャンしようと決めました」と述べています。

アダミー氏が話しているのは、橋の土台の一つに近い、柱のような形をしており、中央が少し潰れたようなアート作品のことです。このモニュメントは、2013年にオリジナルの材料を用いて制作され、同じ色で塗装されました。

リバースエンジニアリングへの挑戦

ほとんどの人はこのオブジェクトを芸術的なオマージュや創造的なインスタレーションとして認識することでしょう。しかし、アダミー氏はこれをリバースエンジニアリングの挑戦と捉えました。彼は橋をミニチュアサイズで再現し、棚の上に飾ることができるような3Dプリント記念品の作成に取り組んだのです。

アダミー氏はArtec Leoを背負い橋に向かいました。Leoを使えば数分で詳細な3Dスキャンデータを取得することができます。

しかし実際にスキャンしてみると、いくつか課題が見つかりました。
「角度や視野の関係で、スキャナーでは届かない場所がありました。記念碑の内側にスキャナーを置くと、情報を取り込むための適切な距離を確保することができないのです」と彼は語ります。

彫刻をプリントする計画だったため、完全で防水性の高い3Dモデルが必要でした。そこで彼が選んだ解決策は、スキャンで欠けていた部分を再作成することでした。彼がモデリングに選んだソフトウェアがGeomagic DesignXです。

「CADモデルを作りたかったんです。このパーツは非常に有機的な形状をしているので、多くの作業が必要になることは分かっていました。しかしそこまで高い精度は求められません。私たちが求めているのはmm単位の精度ではなく、もう少し大まかな精度です」とアダミー氏は説明しています。

IMTSでの成功

モデリングには時間と労力がかかりましたが、アダミー氏はその一瞬一瞬を楽しんでいたと言います。
「ソフトウェアの機能を実証できたのは、非常に良い経験でした。記念碑のリバースエンジニアリングは、3Dリバースエンジニアリングの一般的な用途とは言えませんが、この仕事はスキャナーとGeomagic Design Xの価値を示す素晴らしい方法です」と語っています。
このミニチュアモデルは、Bambu Labのプリンタで橋のトレードマークである赤色で印刷され、IMTS 2024で公開されると、多くの賞賛を浴びました。

その後、アダミー氏はこの言葉を受けて、ミニチュアのメッシュモデルをSketchfabで無料でダウンロードできるようにしました。これを利用すれば誰でも記念碑を印刷したり、そこから独自のCADファイルを作成したりできます。
「持っていると素晴らしい思い出になります。私は結果に満足していますし、誇りにも思っています。もっと多くの人に見てもらいたいですね」

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