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2024年11月5日、工具設計向けデジタルインタフェース・ソリューションの提供を開始
株式会社データ・デザイン(愛知県名古屋市:代表取締役 岡村隆德)は、切削解析ソフトウェア「Toolyzer」(開発元:ドイツ/Tetralytix社)最新バージョンの12月リリースに伴い、ANCA Machine Tools Japan 株式会社(愛知県名古屋市:代表取締役 板倉秀明)と共同で、工具設計向けデジタルインタフェース・ソリューションを11月5日(火)より開催される「JIMTOF 2024|日本国際工作機械見本市」で発表します。
2024年9月にCNC研削盤の市場リーダーであり、今年で50周年を迎えるオーストラリア:ANCA社と、優れた金属切削技術の解析ソフトウェア開発企業のドイツ:Tetralytix社は、切削工具の仮想設計分野において戦略的協力を発表しました。このパートナーシップは、両社の専門知識を活かし、精密な切削工具の開発および金属切削技術の向上に独自のテクノロジーを提供します。この協力により、ANCA社の工具形状仮想モデリングツール「iGlind」と、工具設計業界を変革する工具研削シミュレーションツール「CIM3D」が、Tetralytixが開発する切削工具設計および最適化用シミュレーションツール「Toolyzer」との連携が可能となりました。「CIM3D」と「Toolyzer」のインターフェースを通じて、工具の開発が迅速かつ低コストで実現され、工具メーカーや切削を必要としている各種製造メーカーに大きな利益をもたらします。
ANCA社のCEOであるMartin U. Ripple氏は、「このパートナーシップは、私たちの顧客に最高のソフトウェアツールを提供するという当社のコミットメントを示しています。共同で取り組むことで、切削工具メーカーが革新と最適化を進め、急速に変化する業界において優位に立つための支援を行います。」と述べました。Tetralytix社のマネージングディレクターであるDr.-Ing. Arne Mücke氏は、「ANCA社とのパートナーシップは、顧客に付加価値と競争優位性を提供する重要なステップです。この協力により、デジタル切削工具開発のメリットがこれまでにない形で可視化されます。」と付け加えています。ANCA社のプロダクトマネージャーであるSantosh Plakkat氏も、「工具設計者が工具寿命を延ばし、新しい材料を切削するために常に挑戦に直面していることをANCA社は理解しています。このパートナーシップにより、顧客はシームレスに工具を設計し、初回のテスト切削前から切削分析を利用することができます。ANCA社が初めて「CIM3D」を市場投入した際、その高度なソリューションに顧客は驚きを隠せませんでした。今回のTetralytix社とのパートナーシップは、工具開発の時間とコストを削減する次世代の革新的な一歩です。」と述べました。
この戦略的な提携は、標準および特殊工具の両方において大幅なコスト優位性を提供し、シミュレーションのための仮想工具モデル準備に時間のかかる手作業を削減し、開発時間を大幅に短縮します。日本国内ではデータ・デザインとANCA Machine Tools Japanと共同で工具設計向けデジタルインタフェース・ソリューションを提供し、国内の工具メーカーや製造メーカーが抱える工具設計に関する課題解決を支援します。
■切削力解析ソフトウェア「Toolyzer」について
「Toolyzer」は、ドイツ工科大学連合TU9のメンバーでもあるハノーファ大学の生産工学/工作機械研究所で博士課程に在籍していた研究者によってTetralytix社を2019年に設立、数多くの切削工学プロジェクトから生まれたユニークな切削解析ソフトウェアです。独自のアルゴリズム(三方向デクセルモデル)を採用し、運動学的シミュレーションと刃先応力解析を複合させることで、これまで工具解析分野で主流のFEM(有限要素法)では膨大な計算工数を要していた切削状況のデジタルツイン解析を高速に演算することが可能となりました。
従来のFEMでは数日かかっていた解析工数はわずか数十分に短縮され、三次元形状を加工するためのNCプログラムによる切削工具の複雑な動きを高速に再現しながら、個々の刃先にかかる応力を高精度に解析が出来るようになりました。さらにFEMでは対象外となっているギアを加工するための刃切り/スカイビング工具や、切削効率/精度を高めるための総型工具と呼ばれる特殊工具の解析モジュールも実装しています。12月にリリース予定の最新バージョンでは、スカイビング工具を含めた切削条件の最適化や旋盤加工への対応、ドリル工具チゼルエッジ解析にも対応します。
■JIMTOF2024出展者ワークショップのご案内
▷日時:11月9日(土)13:00~14:00 東京ビッグサイト会議棟 6階 605会議室
▷ワークショップタイトル:切削力解析ソフトウェア「Toolyzer」による加工面品位向上のご提案
▷概要:
数多くの切削工学プロジェクトから生まれたユニークな切削解析ソフトウェア「Toolyzer」の製品紹介
と、最新版で対応した切削条件最適化機能を含めたデモンストレーションを実施します。