自動車および航空エンジニアとして25年以上の経験を持つパトリック・ガスパールは、自動車の仕組みについて熟知している。長年にわたる業界での仕事の後、彼はエンジニアリングと3DプリントのサービスプロバイダーであるR3Dを設立した。R3Dは、産業用3Dプリンターのフリートを活用し、プロトタイピングから連続生産まであらゆることを行っている。2020年、ガスパールはNexa3Dが高スループットの積層造形で波を起こしていることを知り、すぐにNXE 400 3Dプリンターに投資した。

◎挑戦：

7,000を超えるカスタムアフターマーケット部品のツールレス生産

2021年初頭、自動車大手のステランティスは、フランス国家憲兵隊のパトカー400台分のアフターマーケットコンポーネントの設計と製造の入札を行った。依頼内容は、プジョー3008国家憲兵隊に、高価な無線機やコンピュータの各種部品をしっかりと固定する9つのブラケットを装着するというものだった。この部品は、運転席とトランクの両方にある重い電子機器を、過酷な運転状況でも固定できる強度が必要でした。また、紫外線や車内の暑さ寒さに耐える耐久性も必要だった。

要求される部品性能に加え、ベンダーが7200個の部品（400台の車両それぞれに18個の部品）を納品するのに3ヶ月しかない。これらの部品をゼロからカスタム設計しなければならないことを考えると、それほど長い時間ではない。

「NXE 400は1台しかなかったのですが、7200個のコンポーネントを3ヶ月のスケジュールで製造することができました。これは、私が使用した他の3Dプリンターでは不可能な偉業です」
– パトリック・ガスパール
R3D創設者

◎ソリューション：

プロトタイプから中量生産まで-高速

「NXE 400があれば、この仕事に最適なツールがあると思いました」とガスパールは言う。自動車業界とのコネクションもあり、簡単に売り込むことができた。彼は、代理店や自動車OEMと協力して設計を進め、彼らの仕様に合うように初期プロトタイプを印刷した。いくつかの樹脂をテストしたが、Nexa3DのxMODEL 2505を選んだのは、厳しい耐荷重テストや耐久テストに耐えられるだけでなく、車のトランクの中でより見やすくなるように色が薄いからである。

R3Dはテストに合格すると、すぐに生産を開始することができた。プロトタイプも生産も、同じ3Dプリントプロセス、デザイン、材料を使用していたおかげだ。

“高価な工具を加工することなく、プロトタイプから生産へと素早く移行できることは、比較的短いターンアラウンドタイムで大きな利点でした” 1日24時間ジョブを実行するため、R3Dはシフトを再編成し、完成したパーツを収穫して次のプリントジョブを開始できる夜勤シフトを設けた。

「NXE 400は1台しかなかったのですが、7200個の部品を3ヶ月のスケジュールで初回生産することができました。評判は上々で、700台分の1万2600個の部品を2回追加注文し、納品した。R3Dは、1台のNXE 400 3Dプリンターで1,000台のパトカー用に18,000個のパーツを製造しました。その過程で330リットル以上の樹脂を使用したが、Everlast 2メンブレン（NXE 400の主な消耗品）はわずか2枚だった。最初の部品を受け取ってから丸1年以上が経過したが、顧客は依然として満足しており、追加の交換部品は必要ない。」