株式会社データ・デザイン DesignX|ソリッド対応三次元リバースモデラ

CASESTUDY 導入事例

Geomagic DesignX工業デザイン&製造Artec Eva

大型重機部品のリバースエンジニアリング事例

2020.10.09 更新

トルコにいるArtecのゴールドパートナー、高精度でポータブルな大型オブジェクト向け3Dスキャナとして定評のあるArtec Evaで作成した3Dモデルから加工した新品部品とTeknodizaynは建設機械の老朽化した部品を交換するプロジェクトを成功させました。

このプロジェクトは世界的に有名な建設機械のスペア部品メーカーであるAssan ASPから委託されたものでした。

これまで、Assan ASPはこれらの部品の寸法測定と作図に数週間かかっていました。
さらに、一部の部品は従来の方法では正確に測定するのがかなり困難でした。

Teknodizaynによる実演を目の当たりにしたAssan ASPの幹部は、このようなプロジェクトでは、Artec 3DスキャニングソリューションとGeomagicのリバースエンジニアリング用ソフトウェアを使用することで作業が素早く簡単になることわかりました。

今回のタスクは、建設機械の独立した2つの部品(けん引棒とヨークのアセンブリおよびサークルアセンブリ)を将来使用するために作成しておくというものでした。

今回のタスクは、建設機械の独立した2つの部品(けん引棒とヨークのアセンブリおよびサークルアセンブリ)を将来使用するために作成しておくというものでした。部品は、3Dスキャン中に得たデータから、正確に製造し、同じ種類の建設機械にピッタリと当てはめることができなければなりません。

「Artec 3D製スキャナは、撮影条件が悪い場所で大型部品をスキャン撮影をしなければならないような状況にもってこいの商品です。今回のプロジェクトはまさしくそんな条件のものでした。」と、Teknodizaynのセールス&テクニカル・サポート・マネージャーであるアリ・キャン・ボイサン氏は言います。

ボイサン氏は、専用の安全装具を着用しながら製造工場でスキャンを撮らなければなりませんでした。撮影現場は近くに電源がない場所だったため、Artec EvaスキャナにArtecバッテリーパックを取り付けて撮影に臨みました。

アリ・キャン・ボイサン氏がArtec Evaでけん引棒とヨークのアセンブリをスキャンしている様子。

「Artecのバッテリーパックを使用することで自由に動き回ることができたのがとても助かりました。部品の周りを何の制限もなく動くことができました。」と、ボイサン氏。

部品にはいくつかの光沢のある金属表面があったため、光沢を抑えるスプレーをしてからスキャンしました。

「部品がかなり大型となる今回のようなプロジェクトでは、Artec Evaが最適です。また、高い精度が求められましたが、Artec Evaはこれに見事に応えています。しかも、約3メートルという大型部品にも関わらず、素早く簡単にスキャンすることができました。」

Artec Evaでサークルアセンブリをスキャンする様子。

各部品を(上から下まで)詳細にスキャンするのに30~40分かかりました。

「スキャンセッションはあっという間に終わりました。」と、ボイサン氏。「このような精度かつスピードで、あのような大型部品を測定できるスキャナは他にありません。」

ボイサン氏はスキャンが終わると、データをTeknodizayn社内にあるコンピューターに転送しました。Artec Studio 11 3Dイメージング用ソフトウェアを使って各部品を後処理するのに、約4~5時間かかりました。部品を上下、さまざまな角度からスキャンしたことにより膨大なスキャンデータとなりました。

ARTEC Studio 11を使ったけん引棒とヨークのアセンブリの.stlモデル。

データは手動で処理しました。まず、スキャンデータで不要な部分を削除し、その後、操作が素早くシンプルな、「ポイント・トゥ・ポイント位置合わせアルゴリズム」を使って位置合わせを行いました。「テクスチャと形状データを用いたグローバルレジストレーション」を適用し、密度の高い正確なポイントクラウドが出来上がりました。これをメッシュ化しました。次に、「シャープメッシュ化」機能を使い、最高の解像度で、そのままリバースエンジニアリングに使える.stlメッシュ化モデルを作成しました。

ARTEC Studio 11を使ったサークルアセンブリの.stlモデル。

完成したファイルはGeomagic Design Xリバースエンジニアリング用ソフトウェアにエクスポートしました。「これは間違いなく、競合製品の中でも最高、最速、最もシンプルなプログラムです。当社のリバースエンジニアリング担当者は、まず、部品を自動配置してから、座標面に合わせて位置合わせしました。次に、パラメータを使い、特徴あるパーツごとに正確にソリッドモデルを描きました。各部品に7~8時間かけて作業し完成したソリッドモデルは、そのまま製造工程で使用することができる状態でした。」と、ボイサン氏。

Geomagic Design Xで表示されるけん引棒とヨークのアセンブリ。

Geomagic Design Xで表示されるサークルアセンブリ。

製造された部品は、求められる精度を見事に満たしていました。これを使用中の建設機械に取り付け、試運転した所、動作は完璧でした。Assan ASPは提出された結果に感銘を受け、これまでのワークフローを改善し、今後の研究開発に役立つ技術を使用するため、Artec Eva、Space Spider、Geomagic for SOLIDWORKS CADのセット商品を購入しました。



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